起業家支援弁護士の僕がマジでお勧めしたい書籍BEST10（後編）【弁護士向け】

こんにちは。代表弁護士の山本です。

今日は前回の続きとして、「起業家支援弁護士の僕がマジでお勧めしたい書籍BEST10」の後編をご紹介したいと思います。

前編（第10位～第6位）はコチラに書いてますので、ご覧になっていない方はぜひ。

念のため、選考基準的なものを再度載せておきます。
・起業を巡る法律・契約にまったく触れたことがない弁護士が基本書的に学べる内容であること
・実務的な内容、特に「契約書の書式・ひな型」が載っているなど実務にすぐ活かせる内容であること
・裁判実務・紛争解決系の書籍ではなく、予防法務を中心とした内容であること

それでは第5位～第1位を発表していきます！

第5位 「企業労働法実務入門 書式編―はじめての人事労務担当者からエキスパートへ」（企業人事労務研究会 著 日本リーダーズ協会 2016）

「雇用」に関する書式はこれ1冊でほぼすべて揃う。「書式編」でありながら解説も充実しており、手元に置いておくと何かと重宝する。「実務とは書式である」というコンセプトが本当に素晴らしい。法律をなんとなく眺めて終わりではなく、書式に落とし込むところまで完成して初めて「実務」となる、というとても大切なことに気づかせてくれた良著。

第4位 「契約書作成の実務と書式 — 企業実務家視点の雛形とその解説 第2版」（阿部・井窪・片山法律事務所 編 有斐閣 2019）

売買、業務委託、M&A、代理店、業務提携、使用許諾など実務上頻繁に登場する契約類型を題材に、「なぜその条項が必要となるか」から詳細に解説してくれるありがたい書籍。まさに「契約書の基本書」と呼ぶにふさわしい1冊だと思います。ひな型も非常に充実しており、できれば時間を取って読み込んでおきたい。

第3位 「起業の法務――新規ビジネス設計のケースメソッド」（TMI総合法律事務所編 商事法務 2019）

「新規ビジネスを構想しているが、法的な問題点はないか？」
実務上相談されることが多く、なおかつアプローチの仕方や調べ方など悩むことも多いと思われます。本著は「自動運転」「スキルシェア」「宇宙ビジネス」「VR」など様々な新規ビジネスを題材に、超一流の弁護士陣がどのように法的思考を展開するのかを体感できる1冊です。読み物としても興味深く、起業時に問題となりやすい法的知識も多く仕入れることができる１粒で２度おいしい良著です。

第2位 「改訂版 フランチャイズ契約の実務と書式」（神田 孝 著 三協法規出版 2018）

「フランチャイズ？自分には関係なさそう…」と侮ることなかれ。カネもヒトもない「持たざる者」がビジネスを拡大するうえでは「フランチャイズ」は非常に有力な選択肢となる。起業家からの相談・依頼も多いし、教養としても抑えておきたい分野。しかも実は応用性がとても高い分野でもあり、フランチャイズという名称でなくても「他社と協力して事業拡大を目指す」ことを目的とする契約・取引に広く考え方を転用することができるため、必ずいつか役に立つときが来る。
本著にはフランチャイズを巡る様々なトラブル事例に関する詳細な解説、実務にスグ効く豊富な書式が収録されており、基本から応用まで幅広く学ぶことができる。食わず嫌いせずにぜひ読んでほしい1冊。

第1位 「ベンチャー企業の法務AtoZ」（後藤勝也,林 賢治,雨宮美季,増渕勇一郎,池田宣大,長尾 卓編 中央経済社 2016）

「起業」に関する法務を手掛けるのであればこの1冊は外せない。メインとしてはVC等から資金調達を受け、売却やIPOを目指していくような「スタートアップ」が想定されているが、ここを直接のターゲットにしない場合でもやはり知識・話のタネとして知っておきたいことが盛りだくさん解説されているので押さえておきたい。また、会社組織、契約、広告宣伝、労務管理、知的財産などスモール起業時にも問題になる項目も幅広く網羅されているので、その意味でも読んでおくべき1冊。
「ベンチャー」「起業」に全く関与したことがないという人がこの分野の「法務の全体像」を掴み、今後の勉強の道標とするために最適だと思ったので、1位としました。

いかがだったでしょうか。
どの書籍も「うわー！スゲー！！！」「こんなことまで教えてもらっていいんですか！？」と感動したものばかりですので、自信をもっておススメできます。何かの参考になれば幸いです。

紹介しきれなかったおススメ書籍はまだまだたくさんありますので、また機会があれば記事を書きます。

それでは今日はこの辺で。