ひとり会社の法務その③ 売上を確実に回収するための「契約書」

ビジネスで大事なのは、もちろん売上を上げることですよね。

ですが、それと同じくらい売上をきちんと回収することも大切です。

以前、こんな事例がありました。

起業してはじめて仕事を依頼され、ついうれしくなって契約書を交わさずに着手。
納品しようとしたところ「頼んだつもりではなかった」と言われ、報酬を貰えず…

こんな話はまったく珍しくありません。

「入金してはじめて売上になると考えるべきだ」とよく言われます。
売上をあげるだけでなく、売上を確実に回収することも大事です。

売上を効率よく、かつ確実に回収するためには、
「契約書」で売上の「証拠」を残しておくことが必要なのです。

証拠があれば、「頼んだつもりはなかった」などと言われることはなくなるでしょう。
また、あまり望ましくはないかもしれませんが、支払いが滞っても、
弁護士に依頼したりして回収できる可能性も高まります。

ひとりでビジネスを展開していくのであれば
基本的には高単価の商品・サービスを提供することを目指すべきだと思います。
高単価の商品であればあるほど、売上を回収し損ねたときのダメージは大きくなります。

単に契約書を交わすことだけで、売上を確実に回収できる可能性が高まるという大きなメリットが得られるので、
特に高単価商品・サービスを扱う方は、ぜひ契約書を交わす習慣をつけて頂ければと思います。

また、そもそも契約書を適切に作っておかないと、売上を把握できないケースもあります。

例えば、自社はひとりでも、フランチャイズ、販売代理店、ライセンス付与を行うことでビジネスをスケールする手法があります。

このとき、加盟者の売上の●%をロイヤルティとして支払ってもらう、という制度を採用するとしましょう。

この場合、加盟者の売上をきちんと把握できなければ、ロイヤルティも正確に算出することができません。
結果、支払われるべきロイヤルティを誤魔化されたりする事態になりかねないのです。

このような事態を防ぐためには、契約書で加盟者の売上を把握するための仕組みを規定しておく必要があります。


例えば、顧客との間で契約成立した場合報告義務を課した上で、定期的に違反がないか調査する方法が考えられるでしょう。
また、そもそも顧客からの入金を本部が代理して受領し、ロイヤルティ等を決済したあと加盟者に送金するという仕組み(オープンアカウント)を採用することも考えられます。

このように、「売上を確実に回収する」という役割に限っても、契約書には様々な役割があります。

仕事は取ってこれるが売上の回収がうまくいかないことが多いという方は、ぜひ契約書の見直しから進めてみてはどうでしょうか。

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