「契約書」が模倣への対策になる!~競合・パクリへの対策④~【起業家・創業者向け】

前回までのまとめです。

主に「コーチ・コンサル業」や「教室・サロン業」を念頭に、
・「ノウハウ」「アイデア」は、何もしなければ保護されないこと。

https://ameblo.jp/yamamoto-law/entry-12641582075.html

・「著作権」で保護される範囲と保護されない範囲。

https://ameblo.jp/yamamoto-law/entry-12641963118.html・「商標権」でブランドを守るというアプローチがあること。https://ameblo.jp/yamamoto-law/entry-12642808394.html

を解説してきました。


さて、今回は最終回です。

「契約書」や「規約」を活かしたアプローチについて解説します。

「契約書」がパクリ対策になると聞いて、あまりピンとこない方が多いかもしれません。

そこで、少し質問させてください。


そもそもパクリ・模倣ってどこから発生すると思いますか?
特に、起業間もない事業者の場合、
まったく縁もゆかりもない第三者がいきなりパクってくると思いますか?

僕の経験上ですが、こういう場合の「パクリ」は
実は「内部」「関係者」、場合によっては「顧客」から発生します。
(「顧客」と思ってたら「スパイ」だったということもありますが。)

もう一つ質問します。

縁もゆかりもない第三者によるパクリと、
内部や関係者によるパクリ、どちらの方が恐ろしいと思いますか?

これは圧倒的に「内部」からのパクリだと思いませんか?

だって、縁もゆかりもない外部の競合は、
所詮、「公開しているもの」しかパクることはできないですよね。
うわべだけパクられたところで、大した脅威にはならないことも多いのではないでしょうか。
(もちろん、腹は立つでしょうが…)

これに対し、「内部」はどうでしょう?
公開された情報だけではなく、販促、クロージングや
顧客に提供する資料・コンテンツなど、
会社のノウハウ、強み、スキルなどが全て把握されているかもしれません。

商材ビジネスであれば、仕入先や仕入価格なども知られているかもしれません。
フランチャイズや販売代理店展開をしている事業者が、

加盟店が本部を飛ばして直接仕入先と繋がられてしまい、泣きを見る、というのもよくあるケースです。

そして無形・有形商材問わず、小さな会社で最も重要な財産といえば、

「既存顧客・見込み客」や「会員・受講者」の情報

ですよね?

これを奪われてしまうとどれほどのダメージを負うことになるか、
考えるまでもないと思います。

自社の強み、ノウハウなどを熟知した内部者が
「顧客情報」を握って競合事業を始める

というのが一番の脅威だと思いませんか?

実際、このケースで裁判にまで発展した事例は、古今を問わずかなり多いです。

(①の記事で紹介した「競業避止義務」や、「営業秘密」を巡る事例が該当します。)

なので、これだけは絶対に対策しておく必要があります。

そのための方法の一つが、実は

「契約書をきちんと結んでおく」

ということなのです。

もちろん、ただ結ぶだけでは全く意味はありません。

深く内部情報を知ることになる人、
例えば共同経営者であったり、社員であったり、業務提携・業務委託先
講師、フランチャイジーなどといった人たちに対しては、

無断で同種事業・競合事業を行ってはならないという「競業避止義務」
顧客情報など機密情報を持ち出したり不正に使用してはならないという「秘密保持義務」

をきちんと盛り込んだ契約書を作成して、締結しておくことが何より重要です。

というより、最低限このような契約書くらいは結んでおかないと、
いざというときに何も言うことすらできません。


なぜなら、最初の①の記事で述べた通り、
「本来パクリ(模倣)は自由で、法律は当然には守ってくれない」
からです。

後になって「実は退職した人が競合事業を始めたんです…」
ご相談に来られても、契約書すらないのであればまさしく
「後の祭り」です。

「なんだか、人を疑うようで嫌だなあ」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、実際にこういった相談に来られて、泣き寝入りせざるを得ないケースを
何度も目にしてきたのです。

なので、独自のノウハウ・アイデアや専門性、顧客リストをお持ちの事業者は、
是非、ご自身が使っている「契約書」を見直して頂きたいのです

既に結んでしまったという方でも、今から改めて
「競業避止、秘密保持の誓約書」を取り付けるなど、方法はあります。

「契約書」や「誓約書」ひな型の作成、チェックについて聞いてみたいという方は、
是非メッセージやメールをお待ちしております。

(メールアドレスはプロフィールに載せております。)

特に「コンサル・コーチング」ビジネスや「サロン・教室」ビジネスのクライアントが
多い事務所ですので、このような業界の方のお悩みには特にお役に立てることと思います。

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