ひとり会社の法務その② なぜ契約書から始めるべきなのか?
新規事業や事業拡大には様々な悩みがつきものです。
「なんとなくモヤモヤしているけど、何をどこから手を付けたらいいか見当もつかない」
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
「なんとなくモヤモヤ」するために、思い切って事業拡大に踏み切れないという方も多く目にしてきました。
まさにここがポイントで、「わからない」から怖いのです。
自分のビジネスのどこにトラブルの種があるかを把握し、その対策を講じておけば、「なんとなくモヤモヤ」は消え去ります。
では、具体的には何をすべきなのでしょうか?
前の記事で述べた通り、ひとり会社はリソースが十分ではありません。
限られたリソースを「法務」にそそぐのであれば、僕は「契約書」・「規約」の作り込みから始めるのがもっとも効率的だと確信しています。
むしろ、契約書を固める前にあれやこれやと手を出すのではなく、
まずは契約書や規約をしっかり作り込むことから始めて頂きたいのです。
今回から3回ほどに分けて、契約書や規約を作ることにより得られるメリットをお伝えしていきたいと思います。
少し長くなりますが、もしご興味があればお読み頂けると幸いです。
まず前提として、僕が実際に「ひとり会社」の法務をサポートする上で大切にしている考え方をご紹介させてください。
これは僕独自の考えになるのですが、「ひとり会社の法務」の最初の目標は、
「ビジネスを円滑にトラブルなく運営し、売上を確実に回収すること」
を目指すものと定義しています。
「ビジネスを巡るトラブル」や「入金がない」といった事態が起こると、そのことに気を取られがちになり、対応に時間や労力も取られます。
そのようなことを可能な限り減らすことができれば、
営業や商品・サービスの提供・向上と言った、本当に重要なことにリソースを割けるようになります。
そして、これらの目的を達する上で、「契約書」が非常に効果的なのです。
このような考えから、僕はまずは顧客や取引相手と結ぶ「契約書」を作り込むことにより、無用なトラブルを防いで本業に集中してもらえることを目指してサポートを行っています。
整理すると、契約書を作り込むことにより得られるメリットは以下の通りです。
①売上をきちんと管理・回収するための仕組みを作ることができる
②自社、相手方や関係者、提携先がそれぞれ何をするのか、業務フローや責任の所在を明確にすることができる
③トラブルを防止するとともに、万一トラブルになった場合の解決の手引きも備えておくことができる
と、いきなりそんなことを言われてもピンとこないという方がほとんどですよね。
次回から事例をご紹介しながら、詳しく説明していきたいと思います。
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