パクられてから考えよう、では間に合わない ~競合・パクリへの対策①~【起業家・創業者向け】

「苦労して新しいビジネスモデルを考えたのに、他社にパクられた」
「新しい商材が軌道に乗ってきたのに、他社がタダ乗りしてきて困っている」

近頃、クライアントからこのようなご相談を受けるケースが多くなってきました。

商材ビジネスだろうと、コンサル・コーチングのような無形のビジネスだろうと、
このような悩みはつきものです。

しかも、苦労して立ち上げたビジネスがようやく軌道に乗ってきたところで
「待ってました」と言わんばかりにこういう問題が出てくるものなので、

余計に腹が立つのもうなずけます。

そこで、「競合他社」や「パクリ」への対策について、
僕なりの見解をまとめてみようと思います。

まず、誤解を恐れずに言いますが、

「本来パクリ(模倣)は自由で、法律は当然には守ってくれない」

ということを知っておいてほしいのです。

そもそも、どれだけ新しいビジネスモデルだろうと、
何かしら他の会社のやり方を参考にしている部分はあるはずです。
前職での経験、他業種のビジネスモデルや、あるいは顧客として利用したサービスなど。
色々なところから「模倣」することで、新しいアイデアが生まれるものだと思います。

こうやって、模倣からどんどん競争が生まれることは、
資本主義の本来あるべき姿でもあります。

なので、法律も模倣行為を当然に禁止しているわけではありません。
「あまりにも行き過ぎた行為だけが禁止されている」

という程度に過ぎないと考えておいてください。

例えば、退職した従業員がすぐに競合事業を立ち上げたという事例、
いわゆる「競業避止義務」を巡る裁判例では、「自由競争の範囲を逸脱する行為」
というような表現が出てきます。

従業員が退職した後で何をしようが、例え競合事業を始めようが本来は自由。
あまりにも不当・行き過ぎた行為があったときにだけ、

「自由競争の範囲を逸脱する行為」として違法とされます。
 

ここには、まさに上記のような考え方が表れています。

繰り返しますが、まずは

「法律はパクリ、タダ乗りといった行為から当然には守ってくれない」

ということを頭に入れておいていただきたいのです。


このことを少しいいかえると、

「パクられてから考えればいいか…」

では十分な対策を取ることができない可能性が高い、ということです。

日頃から対策を講じておかないと、効果的な措置をとることはできません。


じゃあ、どういう対策をしておけば
パクリやタダ乗りが「違法」だと言えるようになるのか?

結論から言うと、

① 「権利化」する(特許、商標、意匠など)

② 「契約書・利用規約」を使いこなして守る


という2つのアプローチがあります。

それぞれどのようなメリット、デメリットがあるか、
具体的にどのような対策を講じておけばよいか、次回からお伝えしていきます。

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